石鹸の歴史を紐解く

人はいつから石鹸を使うようになったのでしょうか。石鹸の歴史について紐解いてみます。

石鹸の始まりは、紀元前3000年にまで遡ります。メソポタミア文明が発展したユーフラテス川流域から発見された粘土板に、当時の石鹸作りの方法が記録されています。油と灰を混ぜあわせて作るその方法は現代の石鹸作りの原形となっています。紀元前800年の古代ローマでは、神殿に捧げる羊を焼いた油と木の灰が反応して石鹸水が生まれ、この石鹸水が染み込んだ土をつかって汚れを落としていたといわれています。この神殿がサポーという丘にあったことから、「ソープ」と呼ばれるようになったといわれています。また、専門の石鹸職人も存在していたとされています。しかし、この頃の石鹸は動物性油脂と木灰を使用していたため柔らかい上に臭いも強く、現代の石鹸とは程遠いものでした。

ローマ帝国崩壊後、ビザンティン帝国やアラブ帝国で石鹸が作られました。8世紀にはイタリア、スペインでよく見られるようになり、イギリスでは13世紀から製造されるようになりました。12世紀、13世紀の中東では、オリーブオイルなど植物性油脂をつかったアレッポの石鹸が作られるようになり、問題だった臭いは解決されました。さらにバリラと呼ばれる海草から作った灰を利用することで硬い石鹸の製造が成功し、ヨーロッパでは一気に石鹸が評判を集めるようになりました。今でもその名を知られるマルセイユ石鹸やカスティール石鹸は15世紀、16世紀頃にはヨーロッパに普及していたといわれています。そして、植物油脂(オリーブ油など)の利用、製造に不可欠なアルカリの製法の改良発展、保健衛生の意識の高まりなどにより石鹸は普及していったのです。もっとも石鹸といっても、それには羊毛の油分を落とす工業用のものや洗濯に使うものも含まれています。

固形石鹸が売りだされたのは18世紀後半。P&G社のアイボリー(Ivory)石鹸の発売は1879年といわれています(その前進となる別の会社の製品は1840年頃に存在しました)。ユニリーバ社には今でもダブ(Dove)というブランドの石鹸がありますが、同社は1885年に石鹸製造をはじめていました。アメリカでは1849年がカリフォルニアのゴールドラッシュ、人々が金や石油を求めた時代ですが、その頃どんなふうに石鹸をつかっていたのでしょうか。古いウエスタン映画で、石鹸で入浴するシーンがありますが、実際そうだったのでしょうか。日本では花王石鹸が1890年(明治23)に発売されました。

20世紀になると石油ブームとモータリゼーション、そしてメディアの時代。「ソープオペラ」とは、アメリカで広告スポンサーが石鹸会社だった番組についた造語ですが、1930年代のラジオ放送からはじまり、その後、テレビの昼ドラマへと続きました。古いアニメーションで、ねずみを追いかけるネコが石鹸で滑ったり、口に石鹸をいれられて泡だらけになるシーンを知っている人は少ないかもしれません。日本では高度経済成長期、海外旅行が登場します。舶来土産がキャメイ石鹸ということもよくありました。

1958年資生堂からホネケーキが発売されました。石鹸は化粧品としても多様化していきました。もっとも化粧石鹸とは日本独自の言い方、英語圏ではさしずめLuxury Soapでしょう。薬用石鹸やフォーム式の石鹸など、石鹸はさらに多様化、多機能化していきました。

そして、現代では様々な成分の石鹸が誕生しており、つかい心地や効果、香りの好みによって石鹸を選ぶことができるようになりました。石鹸の形も固形に限らず液体タイプも多く流通しています。

香料や保存料といった多くの成分が配合されるようになった石けんですが、ニコハンドメイドソープは多くの成分は配合せず、8種類の原材料だけをつかったシンプルなオリジナル石けんを手作りしています。使いきりのできる小さいサイズですので、旅行や来客用の石けんに活用してみてはいかがでしょうか。